ひるぜん大根について
(JA晴れの国岡山ホームページより)
真庭市蒜山地域で、戦後から始まったダイコン栽培は脈々と受け継がれ、「ひるぜん大根」の名で自慢の特産品になりました。
その歴史は昭和の初めとも言われるひるぜん大根は、「黒ボク」という火山灰からできたとされる土で栽培されています。黒ボクは保水性と透水性を兼ね備え、きめが細かく柔らかいという特徴を持った土で、有機物の含有量も多くダイコンの栽培に適しています。この地域の黒ボクは大山の噴火によってできた土層だそうです。
そこで育つダイコンはストレスなく真っ直ぐに伸びることができ、避暑地として知られる蒜山の冷涼で澄み切った空気、清らかな水に育まれることにより、みずみずしく風味は豊かで甘味のある滑らかな食感となります。
また、冷涼な気候の中で育つので、病害虫が発生しにくく、最低限の防除のみで安全安心なダイコンとなります。緑肥などをたっぷり施用しています。
ダイコンに適した土・気候の中でのびのびと素直に育ったひるぜん大根は、県内外にたくさんのファンを持ちます。
おいしさの秘密
【選果作業を経たダイコンは真空予冷へ】
選果場に持ち込まれたダイコンは洗浄、葉切りなどを経て、一本一本選果員による目視確認が行われます。
【真空予冷とは】
空気の圧力が下がると水の蒸発温度が下がることを利用し、青果物に含まれる水分を表面より蒸発させ、蒸発潜熱を奪い冷却する方法です。
冷却時間は30分程度と短時間で処理できるため、野菜の呼吸作用を素早く抑制することができ、表面や切り口の余分な水分を蒸発させることで、その後の品質保持にも効果が発揮されます。
【葉を落とすには訳がある!】
ダイコンは抜いた後でも「生きて」います。葉がついていると葉の蒸散作用によりダイコン部分の水分が抜けてしまいます。また呼吸する際ダイコン部分のエネルギーも使ってしまうため、早く鮮度が落ちてしまいます。そこで出荷時には大部分の葉を切り落とし、鮮度保持に心掛けています。
葉を根元からきれば良いように感じますが、ダイコン自体に傷をつけるのを避けることと、切り口からも水分が抜けていくので、少し残した葉の部分でそれを防いでいるのです。
蒜山こだわり大根
【寒締め栽培】
ダイコンなどの野菜は自身が凍らないよう、昼間作ったデンプンを糖に代え、身を守る性質があります。これを利用したのが「寒締め栽培」。通常のダイコンより2-3度高い糖度となり、えぐみ、辛味が少ないため、より甘味が際立った絶品ダイコンになります。
【品種の選定】
糖度が上がりやすい品種を選定しており、まるで梨のような甘味とみずみずしさ、きめ細やかな食感が特徴です。
【しっかりとした土作り】
火山灰を含む「黒ボコ」にさらに通常の倍の量となる10アールあたり2トン以上の堆肥を入れ、土作りにこだわっています。
ひるぜん大根は、春から秋にかけては生食で、秋から冬にかけてはおでんなどの煮込み料理に最適です。